真夏の山のミステリー これはマタタビ(木天蓼)の実か? [樹木・花]
実物を知らないで、図鑑に頼って記事を書くとこんな間違いを起こします。
前回の記事で、白い葉を調べ、野草図鑑の写真からハンゲショウと紹介しましたが、
いつも愛読いただく茨城の山さんから、マタタビも白くなるとコメントがありました。
調べると「夏の頃に枝の上部にある葉が白くなるので、遠目でもそれとわかる」と
樹木図鑑のマタタビの説明に載っています。
これは現場検証せねばと現地で状況を調べたところ、実がついているのを見つけたのと、
また蔓性植物だったのでので、ハンゲショウではなくマタタビと断定しました。
子供の頃飼い猫にマタタビの実を与えたら、顔が弛緩して、軟体動物のように
身体をくねらせたのを覚えています。また後年、マタタビの瓶詰も見ました。
ということで、マタタビの実には、見覚えがあるんですよ。
ところが別にこぶこぶの実もあって、白い葉を辿るとこの実ばかりに繋がる。
丸い実はいくら辿っても、白い葉に繋がりません。
ハテ?どうしたことだ?と考えあぐねていたら、お隣さんが通りかかったんですねー。
”あぁ、こぶこぶの実はマタタビの実だよ。丸いのはマタタビなんかじゃないよ。
瓶詰の実?もっと細長い形で、ここらじゃほとんど見ないなぁ”と教えてくれました。
樹木図鑑にも「虫こぶになった果実は木天蓼と呼んで漢方薬として利用」とあります。
丸い実は隣のページに載っていて、”猿梨”というマタタビ科の別の植物でした。
「10~11月に熟す果実は和製のキウイフルーツで、最上級の味だ”」とのこと。
結局真相は、柳の木にマタタビと猿梨の蔓がびっしり絡んで、それぞれの実を
つけていたということです。またマタタビには2種類の実があって、瓶詰で
お馴染みの長細い実は五味沢では見かけないということね。これにて一件落着!
丸い実を見つけたのですが、蔓を辿っても白い葉に繋がりません。
こぶこぶの実もあって、これが白い葉に繋がっていました。
表から見ると白い葉の混じった一本の木に見えますが、
裏を覗けば、蔓が縦横に延びています。左はマタタビ、右は猿梨の実。
大家さんの柳は、葉っぱが上の方にしか見えません。
犬も悶えるかと”ごはん”の前にマタタビを置いたけど、まったく無視。