コゴミ(草蘇鉄)の森 [野草・花]
小国は山菜の宝庫と言われています。
まぁ、山しか無いようなところは、どこもそう呼ばれる気もしますが。
それでも小国は、最高品質のゼンマイやワラビが採れることで知られています。
昔は山形県内外から多くの人が来て山に入って行ったようです。
今は若い人は山菜採りをしませんね。だいたいどれが山菜だか知らないもの。
さらに山菜を知る年配の人は、年と共に足が弱って山に入らなくなりました。
今、山菜採りの世界(?)では、世代間の断絶が起こっているようです。
mukuパパも山菜は大好物ですが、山に入って採る気には今ひとつなれない。
でも、家の周りを探せば、いろんな山菜を見つけることができます。
この”コゴミ”もそのひとつで、周辺のいたるところに自生しています。
もちろん、この写真のように葉が開いてしまっては、食べることは出来ませんよ。
ただ、”地球太古の森”を眺めているような気分になって楽しんでいます。
ミズバショウ(水芭蕉)とザゼンソウ(座禅草)2022 [野草・花]
春になると名前のよく知られた花の自生地は、見に訪れる人で賑わうものですが、
ここ五味沢では水芭蕉や座禅草も、桜やカタクリと同様、見に来る人はいません。
地元の人はともかく、ここに自生地があることは他には誰にも知られていないもの。
おかげでmukuパパは好きなように撮れてありがたいのですが、ちょっと寂しいかも。
今年の水芭蕉ですが、撮影が遅くなって、もう終わったかなと心配していたのですが、
まだ残っていた上、去年より自生地の面積が広がっていて喜ばしいことでありました。
反対に、雪が消えるとすぐに咲く座禅草はなかなか顔を出さず、数もずっと少ない。
今年は雪が遅くまで残っていた所為かなぁ? ちょっと気がかりです。
水芭蕉も座禅草も同じサトイモ科の仲間なので、姿形がよく似ています。
でも、見た目の印象は対照的なのが面白い。どちらも元気でいて欲しいものです。
ミズバショウ(水芭蕉)
ザゼンソウ(座禅草)
尾根道のイワウチワ(岩団扇) 2022 [野草・花]
春になって気温が上がると、雪山ではあちこちで雪崩が起きます。
その結果、どこよりも尾根筋の雪が先に消えて行きます。
そして雪が消えた地表に、最初に花を咲かせるのがイワウチワ(岩団扇)です。
こちらの山の尾根は松が並んだ松峰が多いのですが、その根元によく咲いています。
絶滅危惧種に指定している県もあるそうですが、こちらはそんなことないなぁ。
尾根道にいくらでも咲いているので、踏まないで歩くのが難しいくらい。
丸い葉の形から名前が付いたようですが、花は小さなピンクの可憐な花です。
雪山の春を告げるシンボルフラワーになります。
春の妖精 Spring ephemeral 2022 [野草・花]
また、この花たちの季節がやってきました。雪解けと共に現れる春の妖精です。
我が家は、春になるとカタクリ(片栗)やキクザキイチゲ(菊咲一華)といった草花で、
庭や周囲が咲き囲まれ、自慢のひとつになっています。いいでしょ。
少女趣味な感じでおじさんにはまったく似合わないのですが、ま、世の中そんなものね。
”エフェメラル”というのは ”はかない命” といった意味だそうで、1週間ほど花で春を告げ、
残った葉も夏までに姿を消します。そして地下茎や球根の形で次の春に備え過ごすそうな。
他にも一輪草や二輪草、エゾエンゴサク、がその仲間で、これらも探せば見つかります。
とにかく、徳網にもやっと本格的な春がやって来ました。
カタクリ(片栗)
キクザキイチゲ(菊咲一華)
徳網の秋の野草(3)2021 [野草・花]
野草を撮っていたら村の人から、”おい、こっちにもあるぞ”と声をかけられました。
”センブリって知ってるか?”って訊かれて、う~ん、薬草じゃなかったっけ?
”そのせいか、よく人が来て採っていくんだよ”と言いながら見つけてくれました。
こちらに来て初めて見る花です。小さくて見逃しそうな花ですね。
”葉っぱを齧ってごらん、凄く苦いから”と言われたのですが、
取り敢えず写真を、と撮っているうちにうっかり忘れてしまいました。
家に戻って”センブリ(千振)”を調べたら、名前の由来がありました。
「センブリの乾かした茎葉[これを”当薬”ともいう]を布袋に入れて、湯に浸す。そして、布袋を振る。布袋を千回振っても、あるいは、布袋を振るごとに湯を
千回替えても、苦み成分が出る。それで、”千振り”である。」
あー、齧ってみればよかった。明日にでも行って齧ってこよう。
”良薬は口に苦し”というけれど、薬草としてかなりの効用があるようです。
「センブリは、古く日本ではシラミやノミの駆除剤として用いられていたけれど江戸時代になって腹痛の妙薬として用いられるようになりました。主に苦味健
胃薬として、胃痛・腹痛・食欲不振・下痢などに使用します。」
「また、別の効用として、毛根への刺激による発毛効果があります。」
と言うんだけどねぇ。当方、白くなりましたが、まだかなり残っているので、
あまり言うと嫌味になりそう。問い合わせされても対応できませんので悪しからず。
センブリ(千振)
ノコンギク(野紺菊)
サラシナショウマ(晒菜升麻)
ヤクシソウ(薬師草)
フジバカマ(藤袴)
ナギナタコウジュ(薙刀香薷)
オニアザミ(鬼薊)
徳網の秋の野草(2)2021 [野草・花]
今年も10月に入りましたが、相変わらず様々なニュースが飛び交っていますね。
コロナの緊急事態とかまん延防止が全て解除されたました。
前のようなマスク不要の生活が早く戻って欲しいものです。
家にいる時は不要ですが、小国でも町に出る時は必要です。
日本の与党の総裁選挙があって、次の首相がほぼ決まったようです。
国政選挙並みの報道が続きましたが、こちらは観戦するだけでした。
お隣の国がいろんなミサイルをバンバン飛ばしているようです。
国情はミサイルどころじゃないらしいのですが大丈夫なのかな。
MLBで大谷選手が大活躍して注目を浴びています。
こちらはTVが見られないのでなんとももどかしい。
台風16号が太平洋側をかすめて東に進んでいるようです。
小国は特に強風もなく秋雨が一日降り続いただけでした。
んー、こんなにのんびりしていていいのかな? 引退してるし、まぁいいか。
小国の山では静かに秋が進んでいます。
シシウド(猪独活)
ヤマハッカ(山薄荷)
ツリフネソウ(釣舟草)
キツリフネ(黄釣舟)
徳網の秋の野草(1)2021 [野草・花]
お彼岸も過ぎまして、いよいよ秋も本番となってきました。
五味沢の田んぼでは、稲刈りが始まっています。
徳網では、色々な虫の音が賑やかになってきました。
虫の音を聴き分けられるようになったら面白いかもしれません。
もっとも、まだそんな気にはなりませんが・・、老後にとっておきます。
お馴染みの秋の野草も出揃ってきました。
特に変わった花などはありません。どこにでも、町の中でもよく見かけます。
でもまぁ、自然の中のほうがやはり、のびのびしているような感じがします。
ハナタデやミゾソバは群生していて、いかにも野草なんですが、何故か惹かれる花です。
キンミズヒキ(金水引)
ハナタデ(花蓼)
イヌタデ(犬蓼)
ミゾソバ(溝蕎麦)
おまけ
知り合いの方から、”マタタビの実”の塩漬けをいただきました。
ほのかな苦みが何とも魅惑的で次々に口に入れたくなる。
食後は頭がスッキリして、また旅に出たくなるような気分かも。
朝露に輝く秋の野草 [野草・花]
”台風が過ぎたから”ってことでもないですが、五味沢の景色が少し秋めいてきました。
夏の野草の濃い緑の中に、ススキやエノコログサの花穂が目立ってきたからでしょう。
今朝早く用事で家を出たのですが、朝日を浴びて銀色に輝く草地が目に入りました。
エノコログサやチカラシバの花穂に朝露が降りて、それに朝日が反射しています。
これからの時期に時折り見かける、大好きな景色のひとつです。
すぐに車を停めて、手元のカメラでしばらく撮影タイムです。
都会でもよく見かけるエノコログサやチカラシバですが、単なる雑草扱いされて、
こんなに輝くことはきっとないと思います。
おかげで少し時間に遅れてしまった。車の渋滞のせいにできないのがちょっと辛い。
ま、そんなことあまり問題にならないのが、こちらの暮らしのいいところですが・・
エノコログサ(狗尾草) 別名 / 猫じゃらし
チカラシバ(力芝)
クズ(葛)と オオイタドリ(大虎杖) [野草・花]
植物図鑑ではどちらも”夏の野草”として区分されています。
五味沢ではどちらも”大迷惑な雑草”として区分しています。
農道や水路の脇とか斜面、畑の隅等、人の暮らしの近くで生息しているのですが、
どちらも繁殖力が強い上、成長が速くて気付いた時はジャングルになってるのね。
毎年春と夏に、頼まれて草刈りをするのですが背丈以上に伸びていて、
庭の草を刈るような、のどかな作業にはなりません。
草刈り機という武器を振り回して、ジャングルと格闘するような作業です。
クズは蔓を伸ばして地を這い、灌木を覆い、勢力範囲をどんどん拡げていきます。
蔓が身体に絡まって動きを妨げるし、回転刃にも絡まるのでそれを取り除くため、
機械を度々止めなければならず、作業が面倒でなかなか進みません。
オオイタドリは成長が速く、茎の太さが3,4㎝、高さは2mを超えて密生します。
茎は太くても簡単に切れるのですが、密生しているので根元を切っても倒れない。
機械を振り回して、2段切り3段切りをしなければならず、これも作業が進まない。
もう何年も続けているので、草刈り作業についてはかなり鍛えられました。
どんな場所どんな状況でも、驚いたり、たじろぐようなことはありません。
まぁ、大迷惑な雑草などと言いましたが、それぞれの名誉のために言えば、昔から
クズの太い根からクズ粉を採っていたし、イタドリは若葉を傷口に当て、
血を止めて、痛み取り(イタドリ)としていたそうです。
クズ(葛)の花
オオイタドリ(大虎杖)の花
クズ(葛)の群生
蔓を延ばして道路を侵略してきます
電柱の支線を這い上がる
ついに電柱が侵略された
クズ(葛)で覆われたジャングル
オオイタドリ(大虎杖)の群生
茎の太さは3,4㎝、高さは2mを超えて密生しています
農道への侵略が始まっている
こちらはオオイタドリ(大虎杖)のジャングル
突然の訪問者 ナツエビネ(夏海老根) [野草・花]
この一週間、小国は大雨警報なども出たりして、雨日が続きました。
ジンゴロウ沢も梅雨の時よりも大暴れして、後の片付けが大変でした。
久しぶりに晴れ間も見えた今朝、あれ?ジンゴロウ沢に見慣れない花が咲いている。
近寄って見ると、花の形は蘭に似た上品さがある。調べてみるとナツエビネでした。
エビネは春咲きが多いのだけど、これは広い地域に自生する唯一の”夏咲き”の
エビネだそうです。 思いもかけない、こういう訪問者は嬉しい。
だけど、訪問者とは言っても、エビネは球根から成長するわけだから、
小さな球根が育つために、前から葉が出ていたに違いありません。
こんな場所に葉があった覚えはないけどなぁ。もちろん植えたものではありません。
エビネの名前の由来が図鑑にでているので、そのまま引用します。
「苗の段階では小さな球根であるが、株が育つにつれて球根が大きくなってくる。
小さな球根から大きな球根へと並んでいる姿が、海老の背中に似ている。
それで、この草を ”エビネ(海老根)”といった。」
エビネは ”ラン科エビネ属” の花です。 ”ラン・蘭” というとハイソなイメージですが、
何で”エビネ”なんだ? いや、エビネがハイソじゃないとは言いませんが・・。
花を見ないで、根っこの形から名前を付けるというのが納得できません。